レイコン2010 88638氏「N43Sep」

レイコンレビュー第2回目ですが随分と間が空いてしまいました。中々レビュー執筆は時間が掛かるんで気長にお付き合いください。
今回はもう一つの大賞作品「N43Sep」です。88638氏の作品を去年のレイコンで初めて拝見したとき「この人が大賞をとるのは時間の問題だな」と思ってましたがその通りでしたね。
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去年の作品である「1971」はスクリプトによる自動運転制御やスプライト機能を使った列車表示などは全作品の中でトップクラスの出来だったと思いますが、レイアウトの情景描写という点で同じローカル情景の「蝉時雨」の方に軍配が上がったのだと私は思います。
今回の作品は北海道の情景というテーマに対して説得力のある情景描写がなされており、自動運転やエミッター、音源などの機能が上手く組み合わさった非常にレベルの高いレイアウトになっています。
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レイアウトサイズ15800×3000と巨大レイアウトというわけではないですが北海道の広大な土地というものが上手く再現されています。またエミッターも有効活用されており、情景のいいアクセントになっています。このあたりはしおじさんの作品が地形テクスチャーでこういうのを再現してましたが、エミッターというアイテムのおかげで色々と再現の幅が増えましたね。
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なんとなく北海道な感じだなと思った一枚。前のSSもそうですが、広大な土地の描写するときにただ単に平地に線路を置いても単純な風景になるだけです。この作品の様に緩やかな斜面を造成したり、ラフブラシでデコボコな地面を作ることによって立体的な地形となり情景がぐっと良くなります。また防雪林として設置されている樹木はスペースに制限があるレイアウトにおいて目隠しという役割も担っています。背景テクスチャーと組み合わせによりこの樹木の後ろにもまだ広大な土地があるいう風に錯覚させ、また運転席視点で見た時に同じ場所を走っているという感覚にならないという利点があると思います。
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湿原も北海道ならではの情景ですね。トナカイもいい感じです。
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街の風景はローカルな感じでまとめられています。本人もローカルの方が好きなんでしょうか。また銭湯の煙突から出ている煙がいい味を出しています。このほかにも列車の煙突からも煙が出ていました。
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牧場。これまた北海道ならではの情景です。
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もーもーふぁーむ。森林鉄道を所持していないため完全な形ではないです。VRMはテーマパーク系のストラクチャがないのでこういうものを作るときは本人の腕次第となってしまいますが、こちらのもーもーふぁーむはとてもいい雰囲気で仕上がっています。
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仮乗降場のようなものでしょうか。去年のレイコンの作品にゆきもよさんがビネット作品を出展していましたが実際にレイアウトに組み込まれると、いかに人気の無い感じを出すかが難しそうですがこの作品では難なく仕上がっています。


前回の十衛門氏の作品がVRMを「鉄道模型」シミュレーターとした時の大賞作品なら、この作品は「鉄道」シミュレーターとした時の大賞作品ですね。広大な土地に次々と変わる風景が楽しめるこのレイアウトは、自動運転にしてコーヒーでも飲みながらゆっくりと車窓を眺めたくなる作品です。実在の鉄道風景に準じたものを作成する場合はストラクチャー、レイアウトサイズなどと様々な制約がありますがこの作品を見ていると一番重要なものは地形造成なのかなと思いました。実際の風景では真っ平らな地面というものはほとんどありません。いかに立体的な地形を作れるかでレイアウトの情景も大きく変わってくると思います。この作品はそういう点が優れているのでVRM初心者や中級者がもう1歩上にいくためにはこのレイアウトを見てその技術を大いにパクっちゃいましょう。

欠損部品は森林鉄道セット、TOMIXミニアクセサリーセットです。

もっとこのレイアウトのスクリーンショットが見たいという方はご本人のブログにどうぞ。

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この記事へのコメント

88638
2010年11月23日 00:29
お久しぶりです。今年もレビュー頂きありがとうございます。
御察しの通り、やはりレイアウトは自動運転とか技術的な物ではなく情景描写が最大の評価ポイントではないかと思っていました。
私自身、今は自動運転はモーションパスなどと同じでレイアウトを見せるための一つの手段ではないかと考えています。
前回の『1971』は御指摘の通り技術面ばかり前面に出てしまい描画についてはやっつけ仕事になっていました、これを踏まえてコンペティションで情景作成のノウハウを自分なりに学習して、今回のレイコンに望みました。結論的にはとにかくレイアウトのテーマをきちんと決めるという一点に尽きるのではないかと思います。テーマによって地形作成・季節設定・ストラクチャーなどが決まり情景がしっかり描かれるのではないかと思います。貴殿の言うとおり私のレイアウトの気に入った所を他の方々に吸収してもらえれば本望と考えています、私自身漆黒氏のレイアウトからアイデアを少なからず拝借していますので(内緒)。...(^^)
追伸 湿原に居るのはトナカイではなくエゾシカです。
88638
2010年11月23日 07:52
先のコメントで少々語弊と漆黒氏に対して失礼にあたるかもしれませんので訂正させてください。
“私自身漆黒氏のレイアウトからアイデアを少なからず拝借していますので(内緒)。...(^^)”ではなく
“漆黒氏のレイアウトのアイデアを勉強させていただきました。”へ訂正いたします。失礼しました。
うつみ
2010年11月23日 21:50
88638さんこんばんは。
レイコンの評価は情景描写が一番のポイントではないかなと思っていますが、入賞クラスのレイアウトとなると+αの要素(スクリプト、エミッター、音源、テクスチャーなど)も含むものが多いので、レイアウトの加工技術というものは大きな武器になると考えています。私はここら辺が苦手なので参考にしていきたいです。

88638さんの言うとおりレイアウトのテーマをきちんと決めるというのは重要ですよね。主題が明確だとレイアウトの情景にも説得力が出てくると思います。
また、気の早い話かもしれませんが次回作も期待しています。

トナカイじゃなくてエゾシカでしたか(^-^;)

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